ソフトテニス日本リーグ2020データ!

*この記事は「スポーツアナリティクス Advent Calendar 2020」21日目の記事です。

昨年もこのアドベントカレンダーに参加させていただき、ソフトテニスのデータについて書きました。
こちら

ソフトテニスはまだまだデータの活用が進んでいませんが、
昨年は独自に取ったデータを紹介し、そこから1年コツコツとデータ活用の普及に励んできまして、
少しずつみなさんに関心を持ててもらえるような気がしております。

そんな中で、昨年取ったデータや、
ソフトテニスを見ながらよりソフトテニスを面白くするデータはどのようなものなのだろう?
と考え、今年はその視点からソフトテニスの日本リーグを
よりおもしろく見れるようなデータを紹介したいと思います。

まず、ソフトテニスの特徴として、1試合のゲーム数が少ないことがあります。
例えば硬式テニスなら、6ゲーム先取で1セット、それを3セットマッチ(2セット先取)や5セットマッチで行います。
バドミントンや卓球でも、21点、11点先取で3ゲームマッチや5ゲームマッチで行われます。
しかしソフトテニスは、4点先取で1ゲーム、それを7ゲームマッチ(4ゲーム先取)で行います。

最後のゲームはサービスを交互に行うのですが、
それを抜いてもサーブ・レシーブゲームが多くて各3回しかないのです。

硬式テニスなどから考えると、とても短く感じますよね。
しかし、ボールの性質上、サービスエースなども少ないので
ラリーが長く続きます。そのためサービスキープの概念もあまりなく、
サービスゲームレシーブゲームともに大事です。

このような点から、試合前にサーブかレシーブを選択するトスがあるのですが、
どちらを選択することが有利なのか、選択権を得たほうの勝率はどのくらいなのか
データを取ってみたかったのですが、トスの勝者の記録が出ていないので取れませんでした、、
かわりに、今回の日本リーグで優勝し、その中でも全勝した、2選手の、各ゲームの取得率を出してみました。

まず、男子優勝チームのNTT西日本、広岡選手

そもそも全勝しており、失ゲーム数も5ゲームと驚異の数字なのですが、
全体のサーブゲーム取得率が82%、レシーブゲーム取得率が88%
どちらも高すぎですね、、、
ゲーム別で見ると、4ゲーム目以降は取得率100%になっているので、
広岡選手と対戦するときは前半でしっかりと崩す必要がありそうです。

続いては女子のワタキューセイモア石井選手

石井選手は、毎回トスで勝利した時はサーブを選択しているとのことで、
今回トスは7試合中6試合勝利だったとのことです。トスまで強い、、、

残りの1つも相手がレシーブを選択したため、
すべてサーブスタート。
1ゲーム目が取得率75%、3ゲーム目86%、5ゲーム目100%ということで、
こちらも後半は隙を見せてくれません。

強い選手は後半にしっかりと集中して得点を重ねられる傾向にあるように感じます。

先述した通り、ソフトテニスは試合が短いので、
こういった選手に対しても、前半からしっかり攻めることができれば、
勝機はあります。
より相手の傾向や得意不得意、そういったデータの活用が生きるスポーツでもあると感じています。

では、全体として、ゲームを先取されても勝利できたゲームはどのくらいあったか
見ていきたいと思います。

1ゲームビハインドから挽回して勝利した試合
41/168 24%

2ゲームビハインドから挽回して勝利した試合
12/168 7%

3ゲームビハインドから挽回して勝利した試合
2/168 1%

(男女全試合、ダブルスシングルス含む)

この数字を見ると、いかにゲームを先攻することが重要かがわかります。
1ゲーム目を取ったら約75%の確率で勝てるのです!
もちろんそんな単純な話ではありませんが、
試合が短いこの競技では、いかに前半の戦いが大切かが分かった気がします。

ちなみにシングルスでみると、

1ゲームビハインドから挽回して勝利
16/56 29%

2ゲームビハインドから挽回して勝利
5/56 9%

でした。

次に、日本リーグはダブルス・シングルス・ダブルスの
3対戦で行われます。
真ん中のシングルスを取れるかが重要と言われますが、
シングルスがどれだけ重要なのか調べてみました。

シングルスが勝ったのに負けた対戦(ダブルス2本が負けた試合)
18/56 32%

(男女全対戦から集計)

 

こう見ると、ダブルス2本で勝てた試合は3割ということになるので、
やはりシングルスの勝利は重要ですね。
シングルスの強化、シングルス選手の補強もカギになるのではないでしょうか。

 

今回はこのくらいしかデータを出せなかったのですが、
全くデータを取る文化がなかったところから始まった1年前。
どんなデータをとれば良いかわからず、近いスポーツである、
硬式テニスでよく使われているデータを取るところから始めました。

サービスのエース、ダブルフォルト、
サービス時の得点率、リターン時の得点率、
ウィナー、アンフォーストエラー
などなど、、、

たしかに面白いデータが取れたなと思うところもありましたが、
硬式テニスとソフトテニスは似ているようで全く違うスポーツ。
やはりそのスポーツに合ったデータを出すことが重要だと感じております。

まとめると、

・ソフトテニスにはセットという概念がない
→7ゲーム先取で勝者を決めることがほとんど。試合が短い

・サービスエースはほとんどない
→硬式のように、バウンド後の球速が速いわけではなく、
エースはほとんどないし、体育館の試合ではオーバーヘッドサービスより、
変化で勝負するカットサービスを使う人が多い

・ダブルフォルトもほとんどない
→サービスエースがあるわけではないので、サーブで優位に立つというよりは、
むしろサービスは入れておいてラリーにもっていく選択をする選手が多いため

・ラリーが続く
→前述の通り、サービスだけでポイントが決まることなどは少なく、
ラリーが続くことが多い

・団体戦
→ダブルスメインのスポーツなので、団体戦も硬式とは違い、
ダブルス・シングルス・ダブルスとダブルスの方が多いです。(ダブルス3つの場合や、他形式の場合もあります)
国体などもこの形式となっており、今回の日本リーグもこの形式です。

 

ここらへんを考慮して、さらにおもしろいデータを取っていければなと思います。

みなさんに比べてぜんぜん面白いデータなど出せていないのですが、
これからもっとソフトテニスを楽しんでもらえるよう頑張ります!!!

読んでいただきありがとうございました。

 

はーか

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