※これはスポーツアナリティクス アドベントカレンダー 10日目の記事です。
こんにちは。ソフトテニスポケットです。ソフトテニスを盛り上げるための活動をしています。
みなさんのような高度なお話ができず申し訳ありませんが、お付き合いよろしくお願いします。
まずは、いきなりですがソフトテニスがどんなものなのか、
ご覧ください!!!
こちらは、2019/12/6~12/8で行われた、ソフトテニスの日本最高峰のリーグ戦、
日本リーグの1位チーム【NTT西日本】vs2位チーム【YONEX】のワンシーンです。
(このリーグは、ダブルス、シングルス、ダブルスの3マッチで行われるのですが、
勝ったほうが優勝の1-1でまわってきた3番目勝負で、
10連覇という偉業のかかったNTT西日本が8度のマッチポイントをしのいで優勝するという
なんともドラマな一戦となりました。YONEXの選手も、とってもかっこよかった、、)
あまりソフトテニスをみたことのなかった方、
プレーをみてみてどう感じましたか?!
次々移り変わる陣形や、ボールの変化(ゴムボールなので変化がすごい)、
時にバレーのようなコンビネーション、バドミントンのような反射神経、フィジカルの強さ、駆け引きなどなど、、、
いろいろな魅力の詰まった、見ていて楽しいスポーツなんです!!!
そんなソフトテニスですが、大変お恥ずかしいことながらメジャースポーツでは当たり前にされている
「データ活用」が全くされていないのです。世界選手権や、全日本選手権(天皇杯)ですら、プレーデータは出ていません。
強化で考えてもそうですが、そのスポーツのファンを増やすには、
そのスポーツを全く知らない人にも興味を持ってもらうには、プレーデータを出すことは必須なのでは、、
と、上記の日本リーグでソフトテニスでは初となるスタッツを出してみました。
こちらが出したスタッツです。
まず、項目を考えることから始めなくてはならなかったのですが、
ベースが全くないのでとりあえず、硬式テニスにある項目で取りました。
今回とった、22試合(ダブルス15試合、シングルス7試合)のスタッツから、
勝ちチームと負けチーム各項目の平均値を出してみました。
ダブルス
平均値 | 勝ちチーム | 負けチーム |
ファーストサーブ確率 | 71% | 74% |
ファーストサーブ時得点率 | 69% | 44% |
セカンドサーブ時得点率 | 63% | 35% |
ウィナー数 | 2.93 | 1.73 |
アンフォーストエラー数 | 1.33 | 1.6 |
シングルス
平均値 | 勝ちチーム | 負けチーム |
ファーストサーブ確率 | 83% | 75% |
ファーストサーブ時得点率 | 74% | 42% |
セカンドサーブ時得点率 | 50% | 56% |
ウィナー数 | 2.57 | 2.71 |
アンフォーストエラー数 | 2.29 | 4.71 |
※ウィナー 相手にボールを触られることなく決まったボール
※アンフォーストエラー 相手のショットによってミスをさせられた訳ではなく、自分に原因があるミスショット
まず、全体的にファーストサーブの確率が良いなと!!!
硬式テニスの2016年のファーストサーブ確率ランキングを見たのですが、
一番良いのがナダルで70%、以下は2位69%、3位66%、66%、5位65%と
ソフトテニスと比べるとそこまで高くない印象です。
ここに、ソフトテニスの特性が出ていて、
ソフトテニスは硬式テニスのように圧倒的サーブ有利感がないんですよね。
そこまでボールのスピードが出ないので、エースを取れることは少ないし、
そのためソフトテニス特有の「カットサーブ」(ボールに変化をつけてはねさせないサーブ)を使う人も多くいます。
ファーストサーブ時得点率は、やはり硬式テニスより低くなっているので
エースを取りに行く、厳しいところを狙うより、確実にファーストサーブを入れて
心理的にも有利に立つことを優先する傾向にあるのかなと思いました。
そして、意外だったのがシングルスのウィナー数が、負けチームのほうが高いということ。
その分アンフォーストエラーの数に大きく差が出ているのですが、
シングルスで勝つにはノータッチの厳しいところを狙うより、
より自分からミスをせずに、我慢できる人が強いのかなー、、、と思いました。
今回はデータも少なくあまりおもしろいデータを紹介できなかった+データを読み取る力不足で
こんな傾向もあるとかこんな風にデータを出せばよいということができなかったのですが、
これからデータでソフトテニスの魅力を伝えていけるよう、ソフトテニスをおもしろくできるよう
頑張っていきたいと思います。
そのスポーツの魅力を伝えるデータを出すには、そのスポーツの特性に沿った項目を設定する必要がありますね。。。
硬式テニスでは、シングルスが主流ですが、
ソフトテニスはダブルスが主流なので、オフザボールのプレイヤーの動きを出すとか、
プレーデータを出してみると、あれもあったほうがいいな、これもあったほうがいいなと
次々出したいものが出てきました。
今年、ソフトテニス国内では初となるプロが誕生し、
今後注目されるのでは?!(されてほしい)と思うソフトテニス。
メディア露出が増えたり、他競技の方から見てもらえるようになったら
データは必須なはず!!!!!!
マイナースポーツですが、これから試行錯誤しデータを取る、見る文化を取り入れていきたいと思います!!
まだまだスポーツのデータに関する知識不足です。
このスポーツのこんな指標をソフトテニスでもやったらおもしろいのでは?
こんな考え方を取り入れたらいいよ!など、
他のスポーツのアナリティクスの大先輩方、ぜひともソフトテニスに助言をお願いします、、、♡
記事を読んでいただきありがとうございました!!
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データの母数が分からないので計算しようがないのですが、シングルスのウィナーが負けチームの方が多いというデータに有意な差はあるのでしょうか?
アンファーストエラーは倍近く値が離れているのですが、ウィナーに関しては…
t検定などの統計的手法を取り入れることでより科学的な視点で分析できると思います。
コメントありがとうございます!!
もっとそういった視点でみれるよう勉強してみます!
データの母数も少ないので、もっとデータも集めたいところです、、
ソフトテニスでも、データ分析の導入には賛成です。ただし硬式テニスの様にゲーム数、ポイント数が多く無く、試合自体も短かいので、データ取り、分析も目的を明確にしないとと思います。今回日本リーグは会場でも見させて頂きましたし、このサイトのスタッツも見させて頂きました。個人的には観客よりもプレーヤーが試合の振り返り、次の試合の対策に役立てれるような内容の方が必要性高いかなと感じてます。
私自身もこちらのスタッツを参考に自作運用を行っておりますので、今後とも色々参考にさせて下さい!
コメントありがとうございます。
自分自身がプレイヤー時代にとっていたデータは、
本当に自分が勝つためにほしいものだけだったので、
引退し観客の立場で考えてみると
観客がみて面白いデータ、選手自身に必要なデータ、
共通する部分もあると思いますがじゃっかん違うところもあるのでは?
といろいろ模索しております。
まずはソフトテニスを広めたい、データの力でソフトテニスをわかりやすくしたい
という思いがあるので、ソフトテニスに合った、興味を持ってもらえるデータを出せるよう頑張りたいと思います!!!